こんにちは!
The Cash Academy、代表のhorishinです。

今回は、不動産投資の規模が大きくなってきた場合に法人化するタイミングや、法人設立のメリット・デメリットについてお伝えしてきます。

個人と法人では、節税できる幅が広がるほか様々なメリットがありますが、法人化することが必ずしも得策とは限りません。そこで、法人化を成功させるためのポイントをしっかりと見ていきましょう。

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最近では不動産投資初心者でも、法人化を検討すべきです。こちらでは法人化する時の注意点や、起こりうるリスクについてもしっかりとお伝えしていきます!

副業としての不動産投資から法人化するタイミングは?

不動産投資で、もはや副業とは言えないほど利益が大きくなると「事業として法人化すべきでは?」という考えが浮かびますよね。horishinも「いつ法人化すべきか教えて欲しいです」という相談をよく受けます。

投資の専門書などには「収入が1000万円以上を超えたら」など様々な情報が書かれていますが、実際のところ法人化すべきタイミングは人によって異なります。

ただ、個人と法人で所得に応じた税率が異なるため、どれだけ稼いでいるかは法人化すべきかひとつの判断基準にはなります。では、個人と法人で税率がどのように違うのか見ていきましょう。

個人と法人の税率の違いが法人化を決めるポイント!

不動産投資で収入を得た場合、個人では所得税、法人では法人税を支払う義務があります。個人の場合は「累進課税」といって所得に応じて税率が高くなる仕組みです。

まずは個人の税率から見ていきましょう。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5%
195万円超~330万円以下 10% 97,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,500円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円
900万円超~1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円超~4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

このように、所得に応じて段階的に税率が上がっていきます。実際には「課税所得×税率」から控除額を差し引いたものを税金として納めます。

一方、法人の場合は所得に関わらず一定の税率が課せられます。ただ例外として、資本金1億円以下の中小企業のみ、以下のとおり所得に応じた軽減税率が適用されます。

課税所得金額 税率
~400万円以下 約26%
400万円超~800万円以下 約28%
800万円超 約34%

(※2018年4月1日以降に法人を設立した場合)

法人の場合は控除がない代わりに、所得が800万円を超えるといくら稼いでも税率を一定に抑えられるのが特徴です。

そうすると、個人の課税所得が1800万円を超えてくると、個人と法人の税率が逆転するので、法人化した方が確実に税金を安く抑えられるという訳ですね。しかし、上記は表面上の税率であって、控除など全ての条件を加味すると法人が実際に負担する税率はさらに低くなります。

そのため、不動産所得が900万円~1000万円を超えたら法人化を考えるべきです。サラリーマンで給与所得がある場合は、合計所得が1400万円~1500万円以上で法人化を考えると良いでしょう。

また、法人化を勧める理由は節税目的だけではありません。法人化によって一体どんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

個人による不動産投資を法人化するメリット・デメリット

不動産投資を法人で行うと、個人経営にはない様々な恩恵が受けられます。もちろんお得なことばかりではないので、デメリットも含めて以下にまとめてみました。

不動産投資で法人化するメリット

  1. 消費税還付を受けられる。
  2. 損失を繰り越せる期間が長い。
  3. 物件を売却した時に発生する税金が安い。
  4. 減価償却費を自由に決められる。
  5. 保険料を全額控除できる。
  6. 人件費として支払える範囲が広い。
  7. 収支が分かりやすい。

不動産投資で法人化するメリット①:消費税還付を受けられる。

アパートやマンションを建築または購入した場合、その建物のなかには「消費税」が含まれています。

例えば、建物代金が1億円(税抜)だとすると、建築代金にかかる消費税は800万円課され(現行税制8%)で、投資家は1億800万円の建物代金を支払うことになります。

「この800万を返してもらう」というのが、不動産での消費税還付なのです。

個人でも理論的には可能ですが、決算月を自由に設定できる法人の方が還付しやすいのが実情です。なので、不動産投資家の間では法人による消費税還付が一般的です。

消費税還付に強い税理士と提携していますので、ご興味ある方はhoshinまでお問い合わせください。

不動産投資で法人化するメリット②:損失を繰り越せる期間が長い。

もし不動産投資で損失が出た場合に、他の所得と合算しても赤字になれば、損失分を翌年に繰り越すことができます。これは個人も法人も同じです。

ただし、個人で繰り越せるのは3年のみ。法人の場合は9年なので、個人の3倍も損失を繰り越せる期間が長いです。

不動産投資で法人化するメリット③:物件を売却した時に発生する税金が安い。

物件の売却で得た利益に対して税金が課せられるのは、個人も法人も同じです。ただ、税率の計算方法が個人と法人で少し異なります。

個人の場合、物件の売却益は「譲渡所得」という扱いになり、その他の所得とは合算されません。つまり、給与所得や不動産所得などの合計が赤字でも、譲渡所得に対しては税金が発生します。

一方で法人は、年間の家賃収入と物件の売却益の合計に対して、先ほど紹介した税率をかけます。また法人の場合は、物件を所有している期間によって税額が変わることはありません。

不動産投資で法人化するメリット④:減価償却費を自由に決められる。

減価償却費は、不動産投資の経費の大半を占める部分です。減価償却費の大小によって、会計が赤字になるか黒字になるか決まるほどの影響力です。

個人だと、減価償却費として計上できる額は固定されていますが、法人では「任意償却」といって減価償却費の額を調整できます。

例えば、減価償却費の残高が1000万円で利益が600万円なら、減価償却費のうち550万円を計上して利益を50万円に抑えることも可能です。こうすることで会計上の利益を少なく見せられるので、結果的に税金が安くなるという訳ですね。

減価償却費を調整できるメリットは他にもあります。投資資金を融資する銀行側の視点で見ると、黒字会計の経営者の方が印象が良くなりますから、融資対策としても有効と言えるでしょう。

不動産投資で法人化するメリット⑤:保険料を経費計上できる。

個人ではいくら保険料を払おうが、規定の上限額12万円までしか控除を受けられません。つまり、生命保険を節税として見たときに、ほとんど効果がないと言えます。

その点法人の場合は、支払った保険料が経費計上できるようになるので、個人よりも断然有利だと言えます。

さらに、妻名義や子供名義の生命保険でも、彼らが役員や従業員として登録されていれば、同じく会社で保険料を支払う事ができ、必要経費として落とす事ができます。

被保険者は役員·社員であれば自由に設定でき、かつ受取人も、その親族であれば思いのままに選択可能なのです。

ちなみに、医療保険も同様に、経費計上できますね。

不動産投資で法人化するメリット⑥:人件費として支払える範囲が広い。

法人化すると、不動産経営による収入は全て会社の利益となります。そして、配偶者や子供を役員にすれば、会社の利益を役員報酬として支払うことができます。

個人でも配偶者に給与を支払うことは可能ですが、他の仕事に就いていれば認められないなど厳しい制約があります。そのため、今後事業を拡大していきたいのであれば、法人の方がメリットが大きいと言えますね。

不動産投資で法人化するメリット⑦:収支を管理しやすい。

個人投資は利益を独り占めできる分、どんどん家賃収入に手を付けてしまって、その結果自己破産する人が後を絶ちません。horishinもこれまで、不動産投資で大儲けした結果、破産した個人経営者を何人も見てきました。

しかし、法人となると利益は会社のお金ですから、個人ほど自由に使うことが出来なくなります。つまり、しっかりと収支を管理するという意味でも、法人化するメリットは大きいと言えるでしょう。

不動産投資で法人化するデメリット

  1. 法人設立の初期費用がかかる。
  2. 赤字でも納税の義務がある。
  3. 報酬を自由に使えない。

不動産投資で法人化するデメリット①:法人設立の初期費用がかかる。

法人設立には、登記やその他の手続きを含めると、大体25万円~30万円程度かかると言われています。初期費用に関しては、免除などの例外はなく絶対に必要なので、痛い出費ですが仕方ないですね。

不動産投資で法人化するデメリット②:赤字でも納税の義務がある。

法人には「法人住民税」といって、法人が存在するだけで課せられる税金があります。中小企業の場合は、もし所得が赤字でも毎年必ず7万円の法人住民税が発生します。

不動産投資で法人化するデメリット③:不動産経営で得た利益を自由に使えない。

個人で不動産を所有していれば、家賃収入などの利益は自分の財布に入りますよね。

ところが、法人の場合は不動産経営で得た利益は全て会社のお金です。つまり、人件費やその他の経費を差し引いて残ったお金は、会社の余剰金として内部留保するのが鉄則です。

自分のお金ではない以上、もし勝手に会社のお金を使うと横領罪で逮捕されるので注意してくださいね!

ただ、自分には一銭も入らないという意味ではないので安心してください。自ら社長となり、あらかじめ自分の取り分を役員報酬として設定しておけば、利益の一部を受け取ることができます。

実際の給与体系はもっと複雑な仕組みですが、とにかくお金の使い方に制約があることだけは頭に入れておいてくださいね。

不動産投資で法人化する方法は?

法人化のメリット・デメリットを理解できたら、いよいよ法人化の手続きを実行してみましょう。会社設立には様々な手続きが必要になりますが、おおまかには以下の流れで行います。

  1. 会社の形態など基本的事項の決定
  2. 必要書類の作成
  3. 公証人による定款認証(株式会社のみ)
  4. 法務局へ登記申請
  5. 各種届出

おおまかに言ってこの通りなので、実際はそれぞれのステップでかなり細かな手続きが必要になります。全ての手続きを自分一人で行うこともできますが、最低でも2~3ヶ月はかかってしまうため、行政書士や司法書士に依頼するのがおすすめです。

ただ、最初の準備段階として会社の形態や資本金などの基本事項は自分でも決められます。

会社形態は「株式会社」と「合同会社」のどちらにする?

法人の設立には、まず最初に会社の形態を決める必要があります。不動産投資の法人化に関しては「株式会社」または「合同会社」のどちらかを選択する場合が多いです。

両者は同じ会社でも全くの別物ですが、どのような差があるのか以下にまとめてみました。

株式会社 合同会社
税金 同じ
認知度 高い 低い
設立費用 25~30万円 11~15万円
資金調達 株式の発行 銀行からの融資

毎年納める法人税や住民税など税金の計算方法は、どちらを選んでも同じです。

ただ、合同会社の方がより少ないコストで法人を設立することができ、社内での意思決定が簡単というメリットがあります。また、合同会社という名前が付いていますが、1人でも設立できるので投資家の法人設立にはぴったりです。

他方で、株式会社は社会的な信用度が高いうえ、株式による資金調達がしやすいというメリットがあります。その点合同会社は、社会的な認知度では株式会社に劣りますね。

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どちらを選んでも問題ありませんが、合同会社から株式会社への途中変更は可能なので、まずは初期費用の安い合同会社を設立するという手もありますよ!

会社概要について検討・決定する。

会社概要とは、法人名、本社所在地、事業目的、資本金、出資割合、役員、決算期などのことを指します。中でも資本金と出資割合に関しては、銀行から融資を受けるうえで重要になるので、簡単に解説しますね。

資本金の額を決める。

株式会社と合同会社、どちらにせよ最初に資本金の額を決めなくてはいけません。

現在の法律では、資本金は1円以上であれば法人を設立することができます。とはいえ、極端に少ない資本金を設定するのはあまりおすすめできません。

一般的に、銀行から受けられる融資の額は資本金の2倍程度だと言われているので、それなりの金額を設定しておく必要があります。

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中小企業に関していえば、資本金の平均額は300万円程度です。ただ、1000万円以上になると負担する税金が増えるため、300万円以上1000万円未満が最適だと言えるでしょう。

資本金の出資割合を決める。

資本金の額を決めたら、その資本金を誰が出資するのか内訳を決めます。誰がと言っても、基本的には「自己資本のみ」または「自己資本+銀行からの融資」のどちらかが理想的です。

というのも、銀行は出資者が多数いる場合トラブルが起こりやすいと判断するので、融資の審査が厳しくなります。もし他人資本が入る場合も、配偶者までにしておきましょう。

この辺りはかなり踏み込んだ話になってくるので、中小企業診断士のhorishinにお問い合わせください。

不動産投資の法人化まとめ

不動産投資の法人化で重要なポイントは以上です。

不動産投資を個人から法人へと移行するタイミングは、その人の属性や購入する物件によっても変わります。こちらで紹介したのはあくまで目安に過ぎず、実際には個人と法人それぞれの手取り額を試算することから始めましょう!

ただ、これから不動産を買い進めていきたいなら、法人化の検討はいずれ必要になります。節税以外にも様々なメリットがありますから、自分には関係ないと思わず検討してみてくださいね。

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もし今、法人化すべきかどうか悩んでいるのなら、ぜひhorishinにお問い合わせください。あなたに合った法人化のタイミングや、これからどんな物件を買い進めていくかを、一緒に考えていきましょう!

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