こんにちは!
The Cash Academy、代表のhorishinです。

ニュースをよくチェックしている人は「2022年を機に地価が下がっていく。」「賃料が下がる。」なんて話を聞いて、今後の不動産投資ってどうなっちゃうの…?大丈夫…?なんて心配もあるかと思います。

そこで今回では、実際にこの「2022年問題」が今後不動産投資をする上でどのような影響を与えるのか?一体どうしたら失敗せずに済むのか?

こういった気になるところを、実際のデータを用いながら詳細にお伝えしていこうと思います。

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不動産投資家であれば、避けては通れないのがこの2022年問題です。ぜひ今後の不動産投資の方向性の見直しにつながったらと思っています!

それではまいりましょう。

そもそも2022年問題とは?生産緑地の指定解除によって起こる問題点がこれ!

まずは「そもそも2022年問題って何??」という話から最初にお話したいと思います。

すごくかみ砕いて要点だけお伝えすると、生産緑地としての指定が2022年を機に解除され、土地が一斉に売りに出されることで土地の供給が増え、結果として「地価が下がる」という問題のことです。

また、地主が生産緑地を賃貸アパートに転用することによって「周辺区域のマンション賃料が下がる」という2点を指しています。

といっても「生産緑地って何?」「指定が解除される?」なんて分からないことだらけですよね。なので、具体的に何がどうなっているのかということについて、以下より詳しくお伝えしていきます!

2022年問題の原因は、1992年に制定された「緑地生産法」にあり!

  1. 地価が下がる。
  2. 周辺区域のマンション賃料が下がる。

先程このような問題が2022年に起こるというお話をしていきました。

こうなってしまう理由というのも、遡ること1992年に制定された「緑地生産法」というものが関わってきます。

1992年の当時というのは、バブル期で地価が高騰している状態でした。国はこの地価の高騰を食い止めるために、三大都市にある以下の農地を2つに分断します。

  • 生産緑地
  • 宅地並み課税の農地(特定市街化区域農地)

上記で言うと赤線部分の範囲です。これを行った国の意図なのですが、以下の通りとなります。

今まであった農地は固定資産税をかなり優遇していたけど、これからは宅地と同じ扱いをします。

宅地と同じ扱いになるということは、固定資産税が高くなるということです。固定資産税が高くなると維持するのも大変だと思うので、農地を手放してください。

農地を手放してくれれば、国としては土地の供給が増え、高騰していた地価も下がります。こういった意図通りにしてくれたら凄く助かります。

平たく言うと、国の意図はこういうことです。

農地と宅地では、固定資産税や相続税が全然違います。宅地並み課税されてしまった農地を持っている地主たちは、高い固定資産税を払うことを嫌い、国の狙い通り土地を手放していきました。

また、固定資産税が6分の1程度になるという理由から、その土地を賃貸アパートに転用していきます。

ただ、全てを宅地並み課税の農地にしてしまうと、今度は農家が一気になくなってしまいますよね?そこで「生産緑地」という条件付きの農地を設定することで、農地と、宅地に転用されるであろう土地とのバランスを調整することにしたのです。

生産緑地法で定められた「生産緑地」って何?

では、その生産緑地というのはそもそも一体どういったものなのでしょうか?

地方住まいであればあまり目にすることもないのですが、都内ではよく「えっ、何でこんなところに畑が!?」なんていう場所に出くわすことも多いかと思います。生産緑地という立て札があるので、もしかしたら見たことがあるのではないでしょうか?

こういった生産緑地には以下のような条件がついています。

生産緑地法によって指定された条件

  1. 面積が500㎡以上のもの。
  2. 農林業を営む場合に限って、建築物の改築・増築・新築が認められているもの。
  3. 生産緑地として指定されて30年が経過したら自治体への買取を申請できる。
  4. 従事者が死亡などで、農地を営めなくなった場合は同様に買取の申請ができる。
  5. 自治体が買い取らなかった場合は他の農家に買取してもらうことができる。
  6. 買取を申し出てから3か月以内に所有権が移らなかった場合は制限解除ができる。

つまり、生産緑地というのは「宅地並み課税をしない代わりに、30年間は農地として頑張ってね。ただ、30年の期限が切れたら、そのときは宅地並みの課税になるから。」というものです。

そして、まさに2022年が生産緑地法の期限である30年が経過する年にあたります。30年が経過し、生産緑地としての指定が解除されれば、生産緑地は宅地並みの課税になってしまいます。

例えば、こちらの記事でも紹介されていますが、評価額が1億円の農地を持っている世田谷区のおばあちゃんは、2022年に固定資産税が7,000円から46万円になってしまうそうです…。このように、実際に固定資産税は30倍~80倍になると言われています。

いくら土地保有欲が強い日本人と言えども、これだけ重い税金がのしかかってくれば、土地を売るか、相続税や固定資産税を減らすために賃貸アパートを建てるか、そのような行動になってきてもおかしくありません。

そういった理由もあって、今回のように2022年問題と騒がれているのです!

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2022年問題がなぜ起こるかというメカニズムは理解できたかと思います。ただ、不動産投資を行っていく上で、具体的にどんな影響があるのでしょうか?次より詳しく見ていきましょう!

実際に2022年問題は不動産投資にどう影響するのか?

それでは続いて、2022年問題が具体的にどれほど不動産投資をする上で影響してくるのか?詳細なデータとともにお伝えしていきます。

全国に生産緑地は東京ドーム2920個分もある!

生産緑地面積(ha) 東京ドーム(個分)
東京都 3,329.8ha 712個分
大阪府 2,100.4ha 449個分
埼玉県 1,824.8ha 390個分
神奈川県 1,404.1ha 300個分
千葉県 1,188.5ha 254個分
京都府 854.7ha 183個分
奈良県 614.9ha 132個分
兵庫県 533.8ha 114個分
静岡県 236.9ha 51個分
三重県 190.7ha 41個分
合計 13,653.7ha 2,920個分

まずは全国にある「生産緑地」の数から見ていきましょう。

上記は国土交通省のデータを引用しているのですが、実は生産緑地の面積を見てみると全国に東京ドーム2920個分もあるのです!

これだけ聞くと「え、そんなにあるの…?」なんてますます不安になりますよね。これが全部転用されてしまったら、地価や家賃下落に間違いなく影響してくるでしょう。

では、実際のところはどうなのでしょうか?

  1. 短期的に見た場合
  2. 長期的に見た場合

上記のように、短期的な目線、長期的な目線で試算していきたいと思います。

【①短期的に見た場合】全ての農地転用は考えられないが、生産緑地の指定解除のインパクトは想像以上に大きい!

まず結論から言うと、2022年問題による最初のインパクトはそれなりに大きいと私は考えています。

国としても今回の問題を懸念し、実際に2017年6月15日に改正緑地法というものを出しました。

改正緑地法とは?

  • 面積500㎡以上 ⇒ 面積300㎡まで引き下げ
    (面積の小さい土地にしても生産緑地として持っていられる。)
  • 農産物の生産等に必要な施設のみ建設可能 ⇒ ジャム等の製造・加工・直売所・レストランなどの建築が可能
    (地主の収益化の手段が増え、土地を手放しにくくできる。)
  • 生産緑地としての指定期間30年 ⇒ 10年経過するごとに指定を受けられる。
    (生産緑地としての継続ができるようになった。)← 今回一番のポイント!

難しい内容ですが、つまりは「農地をすぐに手放さなくてもいいよ」という内容になっています。

と言っても、やはり継続できない人というのは一定数はいます。それが今回の2022年問題の肝となる部分なのですが、実際どれぐらいになるのでしょうか?

これは生産緑地の所有者にアンケートを取ったものなのですが、まず対象になるのは、地主が「相続納税の猶予」を受けているかどうかです。

相続納税の猶予というのは、後継者に相続した際、本来であれば今まで免除されてきた固定資産税を過去に遡って支払わないといけません。しかし、猶予を受けているのでその必要がないということです。

つまり、相続税の猶予を受けていれば、相続税が少額でいいので農地を継続しやすいということです。

しかし、その相続税の猶予を受けている人というのは全体の59%で、受けていない人は41%になります。この41%の人が今回でいう農地を継続できない可能性のある人たちです。

更にアンケートを見てみると、その中でも農地を引き継ぐ後継者がいないという人は65%にも及びました。ということは、土地を手放す可能性がかなり高い候補者を計算すると、以下の通りとなります。

0.41(相続税猶予をうけていない人の割合)× 0.65(農地の後継者がいない人の割合)× 100 = 26.7%(土地を手放す可能性がある人)

土地保有欲が強い日本人のことですので、26.7%の人が全て手放すとは思いません。しかし、先程もお伝えした通り、固定資産税は指定解除後から30倍~80倍になります。

正直、継続はかなり難しいと思っています。今回は割り引いて2割が手放すとして計算していきます。

先程東京ドームの面積で計算しましたが、例えば都内の場合で見ていくと、都内の生産緑地は東京ドーム712個分で、面積でいうと3,329.8haでした。そうしますと

3,329.8ha × 0.2(生産緑地を手放す人の割合)= 665.9ha

この面積の生産緑地が放出される計算になります。以後、少なく見積もってこの半分が住宅として転用されたと計算していきます。

また、三大都市圏の住宅戸数3000万戸をその面積である40万haで割ると、1haあたり平均75戸という計算になりますので、以下のような計算ができます。

665.9ha ÷2(住宅として半分が転用) × 75戸(1haあたりの住宅戸数) = 24,971戸

東京都内で1年間につくられている新設住宅着工戸数は約15万件なので、24,971戸の新設住宅というのは、実に16%にものぼります。

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これはさすがに誤差として無視できない数字かなと思います。

【②長期的に見た場合】長期で見たらジワジワと影響してくる!

2022年になってから、短期的に見たら大きなインパクトを及ぼすというお話をしてきましたが、長期目線ではどうなのでしょうか?

こちらも結論から言うと「大きなインパクトはないが、ジワジワと効いてくる」が答えになります。

こちらも国土交通省のデータを用いながら、詳しく試算していきます。

先程もチラッと出てきましたが、まずはこちらのグラフを見てください。

1992年に生産緑地法が制定されてから宅地並み課税された農地は、約20年の歳月をかけて徐々に半分になっていってるのが分かるかと思います。

国土交通省のデータを見ていくと、この約60%ぐらいが宅地として転用されています。ですので、生産緑地が1年間に宅地に替わる戸数としては、以下のような計算式になります。

13,653ha(全国の生産緑地の総面積)÷ 2(20年間で面積が半分になる)× 0.6(60%が宅地に転用)= 4,096ha(20年間で宅地に替わる生産緑地の面積)
4,096ha ÷ 20年 = 204.8ha(1年間で宅地に替わる生産緑地の面積)

この面積がどれぐらいの戸数になるかと言うと、先程も計算した通り1haあたり平均75戸なので

204.8ha × 75戸 = 15,360戸(1年間で新しくできる新設住宅着工戸数)

このようになります。

また、平成28年に公開された国土交通省の新設住宅着工戸数のデータによると、967,237戸が1年間で新たにできた住宅の戸数となっています。

なので、生産緑地から住宅へと転用された戸数を、1年間に新たに着工された住宅の戸数で割ると

15,360戸 ÷ 967,237戸 × 100 = 1.59%(1年間でできた新設住宅と、生産緑地から住宅に転用された住宅との割合)

これぐらいの割合になります。ただ、これは毎年新設される住宅の増減率と比較してもそこまで大きいものでもありません。

実際問題「家賃下落などにすぐには影響の出ないレベル」だと考えていいと思っていますが、これから少子高齢化はますます進んでいきます。

そんな中、毎年このパーセンテージが新設住宅として上乗せされていけば、徐々に徐々に影響が出てくるのも想像するのに容易かと思います。

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すぐすぐのインパクトはありませんが、毎年毎年、少しずつ影響してくるのは間違いないと思います。

駅徒歩10分圏内、都内のワンルームマンションであれば、2022年問題の影響は気にすることはない!

では、2022年問題への対応策は一体どうしていったらいいでしょうか?

この答えなのですが、以前とスタンスは全く変わらずで「駅徒歩10分圏内、都内のワンルームマンションを持つこと」この一択だと思っています。寧ろ、今回の生産緑地による2022年問題により、その傾向がより顕著になったと言えます。

実は東京23区にも以下の通り、生産緑地というのはかなりの規模感であります。

生産緑地面積(㎡) 東京ドーム(個分)
練馬区 200.8ha 43個分
世田谷区 102.1ha 22個分
江戸川区 39.3ha 8個分
杉並区 38.0ha 8個分
足立区 36.9ha 8個分
葛飾区 30.2ha 6個分
板橋区 11.2ha 2個分
目黒区 2.6ha 0.6個分
大田区 2.6ha 0.6個分
中野区 2.4ha 0.5個分
北区 0.3ha 0.1個分
東京23区合計 466.4ha 100個分

ただ、山手線の中には一切ありませんし、駅から徒歩10分圏内にも生産緑地はほとんどありません。

つまり、駅徒歩10分圏内のワンルームマンションであれば、生産緑地の問題を確実にとは言い切れませんが、その影響を限りなく少なく抑えることができると思っています。

2022年問題のまとめ

以上、2022年問題についてを終わります。

これから地方での不動産投資や、都内でもファミリー向けマンションへの投資を行うのはますます厳しくなっていくでしょう。

ご存知の通り、不動産投資は長期目線で考えていくことが大事です。今はいいかもしれませんが、長期で負けてしまったら本末転倒で全く意味がありません。

今からしっかり対策を立てて、不動産投資を成功させる準備をすることが大切です!

もし今回の記事を見て、ワンルームマンション投資へ舵をきる場合は、何かしらアドバイスできることもあるかもしれません。その際はお気軽にhorishinまでお問い合わせくださいね。

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